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執筆者の写真月吉野 若林醸造

2024年を振り返って。

今月は例年より寒い日が多く、酒造りをするには丁度いい12月でした。


さて、2024年はどんな年だったでしょうか。

私個人の意見ですが、備忘録として書きたいと思います。





こんな感じの1年でした。各項目はブログで詳細が読めるものもあるので、興味のある方は是非読んでみてくださいね。



今年1番嬉しかったのは、全国新酒鑑評会での金賞受賞です。

杜氏として公的な評価を得られたのは、自信に繋がりました。

普段応援してくださっているお客様や、地元の方々に喜んでもらえたのも、とても嬉しかったです。

ただ、その後行われた国税局主催の品評会では入賞すらできなかったので、来年また頑張りたいです。



酒造りの中で1番印象に残ったのは、「つきよしの 萌黄」という山廃純米酒の造りです。

これは本当に勉強になりました。

失敗は成功のもと、と思った1本でした。

今在庫が全て無くなったので言える事ですが、あの生原酒は失敗から生まれた商品です。


失敗=酒にできずに腐造する、という意味からいえば失敗ではなかったのですが、思った通りに仕込めなかったのが非常にストレスで、どうやって美味しく仕上げるかを非常に悩みました。

山廃酒母の造りの最中にある部分を間違えたまま仕込んでしまい、通常より高い酸度に仕上がってしまいました。

経験上見たことのない数値だったので、これは廃棄するか続けるか悩んだのですが、味に変調がなく雑菌汚染ではなさそうだったため、「甘めに仕上げてアルコール度数の低い酒にすれば何とかなるか」と自分に言い聞かせて、経過をそのように推移させました。


何度も何度も味見をし、雑味を出さないよう品温経過に気を遣い、出来上がった味は夏場に飲むのにピッタリな爽やかな酸味のある味わいでした。


出来上がってからも、他の人はどう思うか心配で、YOMOYAMA NAGANOの東京会場ではたくさんの人に試飲を勧めて意見を求めました。


発売した時期が夏だったのも功を奏し、軽めで酸のあるあの味はたくさんの方に「美味しい!」「日本酒じゃないみたい(=苦手でもたくさん飲める)」とのお言葉を頂きました。

今期も山廃の生原酒は造りますが、前回のような味にできるか…今度はそれが不安です。



造り以外の活動で印象的だったのは、ロサンゼルスへの出張です。

造ったお酒がどのように提供されているか、どんな感想を持たれているか、どんな環境で楽しまれているか、目で見て肌で感じてきました。


この視察は私が輸出をしたいと思ってからずっと夢見ていた出来事だったので、夢が叶ってとても嬉しかったです。



新酒会については、ありがたいことに毎年参加希望者が少しずつ増えているようで、今年の春の予約はあっという間に埋まってしまいました。

来年の開催については、もしまた予定人数を上回ってしまった際は、先着順ではなく抽選で決めさせて頂ければと思います。


新酒の会は例年通り5月の第3土曜日の開催を予定しておりますが、詳細につきましては3月にお知らせします。



振り返ると、若林醸造にとって2024年はとても良い年でした。

来年もさらに良い年になるよう、励みます!


皆様もどうぞ良いお年をお迎えくださいませ。




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