若林醸造では、大阪の印刷会社さんにラベル印刷をお願いしています。
(昨年の新酒会でアロハシャツを着て、帰りの別所線ではしゃいでいたあの人です)
会社同士の付き合いは古く、かなり昔からのお付き合いだとか。
その担当の方が、「参考になるかと思って持ってきた」とあるものを紹介してくださいました。
何十年も昔の、ラベルデザイン集です!
パソコンがない時代の、全て手書きのデザインです。
何がすごいかというと、まずはデザイナーのセンス。
色選びや配色、文字と絵のバランス、印刷時の凹凸など、ひとつひとつのラベルがまさに作品です。
色のグラデーションは、何版も刷り重ねて表現するらしく、金箔も使って豪華さを演出。
まるで掛け軸の絵のようです。
さらに、当時は「髭文字職人」という人がいたらしく、酒の銘柄を専門に書く「筆師」がいたんだとか。
若林醸造のラベルも発見しました。
当時は一級酒が「旭若松」、二級酒が「月吉野」という銘柄だったそうですが、その後「月吉野」に一本化したらしいです。
長野県酒造組合の特別ラベルも発見。
こんな格好いい銘柄もありました!
(以下、現在廃業している蔵のラベルだけご紹介します)
素敵な銘柄名のラベル。まさに日本酒。
星柄のキラキララベルも発見。
酒ラベルにたまに描かれている、動物の絵も好きです。
よくあるのが、鶴や亀。
縁起の良いものが登場しがちです。
何十頁もラベルデザインをみましたが、本当に素晴らしく、現代でこれを再現するは難しいだろうなと感じました。
昔の酒蔵は何種類もの酒を造っておらず(普通酒がメインで、特定名称が数種類?)、ひとつのラベルの制作ロットが大きいのに加えて、ひとつひとつのラベルデザインにお金をかけて作ることができたのかもしれません。
時間があれば、ずっと眺めていたいほど貴重なものを貸していただきました。
ひとつひとつを丁寧に、作品を作るように、私も励みたいです。